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(Théâtre 1&2, Romans 1,2,3, Politique, Critique, Histoire , Voyages, Poésie 1,2,3, Océan, Chantiers, Correspondance familiale et écrits intimes 1&2 計15冊)
フランスの19世紀の国民詩人と言えばユゴーだ。幅広い人気をいまだに保ち、フランス文化の土台の一つになっている。「ブカン」叢書の15冊は、現代人に接近しやすく、古い大全集のいかめしさに比べるとぐっと身近だろう。といってもフランス語だから、日本では読者も限られている。しかし、敢えて推薦したい。フランス語をいくらかでもやったら、これほどまでに激しい才能の迸り、ほとんど怒濤とも咆哮ともいえる天才の活躍にすこしでも触れたいものである、そうあってほしい、そうすべきだった!というのが理由だ。考えてみると、19世紀のどの国の天才でもいいが、ユゴーほどに幅広い人々に支持され続け、「売れている」人は恐らくほかにいない。現代もなお衰えずに、映画やアニメやミュージカルに翻案され続ける「レ・ミゼラブル(ああ無情)」や「ノートルダム・ド・パリ」の生命力を見ればそれがわかる。
われわれはまだユゴーを始末できずにいる。つまり、われわれは19世紀のままなのだ、なんということだ・・・。
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