夜間開館担当職員からの感想………

 

Part1:ある日の夜間職員同士の会話から・・・・

北分館資料サービス掛事務補助員 夜勤担当者一同

A本館でも分館でも”飲食厳禁”の張り紙を見かけるよね。

Bそう。でもジュース飲んでいる人よく見るよ。お菓子のゴミも置き放しの時がある。

A張り紙を知らないのか、知っていて無視しているのかな? 効果薄そうだな。

Cそもそも、なぜ飲食厳禁なんだろ?

Aそりゃ、本が汚れるのを防ぐためだよ

Bそうだけど、借りた本を家でジュースを飲みながら読んでいて、それで汚したらって考えると、その理由は弱いよ。

Cなるほど。禁止の理由は他にある?

B閲覧室の雰囲気が悪くなるとか、机が汚れるから...?

Cそうだね。調べものをしている横で、昼飯食べる人がいたら、確かに迷惑だな。

Bでも、ジュースを飲むくらいだったら、いいんじゃない。

Aそう言えば、本館の4階の閲覧室の張り紙の下には、「空き缶をこのゴミ箱に捨てないで」とある。矛盾している気がするんだわ。

C本館には、ロビーも自販機もあるよね。

B分館は冷水器が壊れているし、ロビーの一部は喫煙所になっているから、たばこが嫌いな人は、外で飲むしかない。

Aだからジュースを持ち込みたくなる?

C一休みできる場所があるといいね。

Bそう。1,2年生が自由に勉強できるのは図書館だけ。それも分館だね。

A何はともあれ、本は大事にしなきゃいかんと思うよ。これだけ本が多いと感覚が麻痺するけどね。それにみんなで使っているものだし。

C耳痛いこと言うね。でももっともだよね。家でも汚さないように読むよ。   

 学生と職員という両方の立場を行き来して半年を経ての感想です。

                

 

Part2:図書館の閲覧業務を経験して

大学院理学研究科 古高誠也 

 一般によく言われていることですが、物事を表から見るのと裏から見るのとでは全く違った印象を受けます。これは図書館の特にカウンター業務に当てはまりまして、簡単そうに見えるけれども実際はどうなのだろうと以前から思っていました。何故か運良く夜間開館担当職員に雇用されたので,上記のことを確かめてみました。アルバイトの最初の頃は,どんなことでもそうですが、慣れないことばかりなので,かなり疲れました。

「全然見た目と違って、やることが多い。」これが最初の頃の印象でした。アルバイトの仕事が慣れるにつれて業務をそつなくこなすことができるようになり、余裕ができるようになりました。この余裕の態度が端から見て簡単そうに見えるのかもしれません。

 夜間アルバイトの仕事は,閲覧室カウンターでの本の貸出・返却、本・ビデオテープなどの配架・整理,情報ターミナルコーナーの端末の管理,そして,閉館後の戸締まりの4つに大別されます。本の配架・整理をしていると,北分館には様々な本があることに気付きました。各分野の入門書から専門書、文芸書及び推理小説、果てはトンデモ本までです。推理小説などの娯楽書は置くべきではないという意見がありますが、逆に僕は積極的にとはいかないまでも,置いてあっても構わないと思っています。他大学出身の私から見て,分館,本館の本の種類と数の多さに,北大生は恵まれていると思っています。

 図書館に読みたい本がないのなら、積極的に購入希望を出すべきだと思います。職員の方の話では、原則として希望図書は全て購入するそうです。こうして図書館の本をどんどん充実させていきましょう。

(ふるたか せいや 北分館資料サービス掛事務補助員)

 

Part3:「夜間開館へお越し下さい」

大学院法学研究科 紺屋博昭

 「はい、こちら附属図書館本館三階カウンターです。」

 「はい、平日は午後10時まで開館しています。」

 「いいえ、書庫はこの時間は残念ながら開いておりません。はい、お急ぎでなければ、 平日の朝9時以降にカウンターの職員にその資料を御請求下さい。」

 「・・・・ええ、ご不便をお掛けして申し訳ございません。」

 「・・・・確かにそうですね。夜間開館は私達三人の担当ですので、書庫内のサービスまでは 今のところ手が回りません。でも・・同じように書庫内の資料閲覧を希望する方は大変多 いのです。よろしければ夜間の書庫の利用が出来るよう、お力添えをお願いします。何 よりも図書館は利用者の声いかんで利便が変わりますし・・・・。私達としても毎回書庫の ご利用をお断りするのは心苦しい仕事なのです。」

 「・・・・」

 「恐れ入ります。入館の際は学生証・利用証をご提示下さい。」

 「いいえ。学生教職員以外の利用を全く排除している訳ではありません。」

 「あの・・・・本来は大学の附属図書館という性格上、利用資格を一応そのように決めてます が、図書館は一般的に利用者に広く開かれている必要があるとの理念を承知しています。 ・・・ええ、利用にあたって紹介状のご持参をお願いしてますが、ご身分をご証明出来る ものがありましたら簡単な手続きでご利用できる便宜がありますので・・。」

 「ええ、いわゆる大学受験の予備校生はご遠慮ねがってますが・・。はい、ここにはミュ ーズの神様もいらっしゃるようですし、二三の縁起話もあります。」

 「設備は古いですが、語学のテープ等も各種ご用意できます。まずはこのフロア全体の ご利用をお楽しみ下さい。」

 「・・・・」

 「はい。こんにちは。」

 「どうぞなんなりとお申し付け下さい」

 「・・・・」

 「いいえ。いいえ普段は私達は非番を含めて6人全員大学院生です。」

 「失礼ですが・・・・なるほど・・・・こちらでの勤務に関心をおもちですか・・・・」

 「そうです。私達はいわゆる図書の専門家ではありません。しかしそれぞれ専攻のちが う院生3人が、各人の能力を最大限生かしてカウンターでの総合案内を担当します。本 の貸し出し処理が主な仕事ですが、外国語論文の所在調査からレポート作成のための文 献案内まで、ご相談もいろいろあります。」

 「ええ、大丈夫ですよ・・その場合は専門の図書館職員が担当を引き継ぎます。これはあ まりご存じないかも知れませんが、フロントサービスの私達の仕事を後方から支持する 図書館職員は数え切れない程たくさんいて、これまた数え切れない程の本について専門 の「お守り」をしてるんです・・・・そうした専門家の職員の力あってこそ、私達の仕事も なりたっていますので。」

 「そうですねぇ・・・・それはありますよ。例えば、L.A.近郊の安いゲストハウスを知 りたいとか・・観楓会の語源を教えてくれとか・・・・しかし私達は幸い興味も関心も広い院 生ぞろいですので、喜んでお手伝いします。少なくともどこに行けば、なにを見れば、 お客様の質問の答えがわかるかくらいはご案内します。ときにそうして学部生の試験を 応援したりもしています。ご認識はいろいろありましょうが、図書館職員は研究教育の サポートスタッフです。私達もその一端を担っている自負があります。」

 「・・・・」

 「はい、いかがなさいました?」

 「・・・・夜間の利用者は300人前後でしょうね。」

 「ええ、全員の学生証・利用証を拝見しますよ。専ら拝見のための勤務かも・・」

 「はい・・・・確かに。その類いの苦情は聞いております。」

 「・・・・私達に関して言えば、例えば学生証・利用証のご提示と拝見の「やりとり」をきっ かけにして、利用者と私達の間のコミュニケーションが活発になればと願っております。 せっかく見せてくれんだから、真剣に見てご挨拶するとか・・。それに私達は採用にあた って、学生利用者と共通理解ができることを期待されてますので、利用者にたいしては ホスピタリテイを旨として接するよう心がけております。決して身元確認の意地悪では ありません。」

 「そうです。図書館は静粛を重んじてはいますが、いつでも何でも遠慮なくおたずね下 さい。もっと私達とコミュニケーションしましょう。そして図書館に意見して下さい。 私達からみて声をかけたり、お手伝いをしたくなる学生の方はたくさんいます。でも皆 さんひとりで苦戦してるようで・・。」

 「私達には制約もありますが、仕事のアイディアは豊富にあります。工夫次第で利用者 のお役に立てることはたくさんあると思います。私達は忠実な本の貸出器でも整理器械 でもなく、サービス精神旺盛な図書館職員です。きっと満足いただけると思います。」

 「利用者のひとりひとりの満足が、私達の仕事の達成感と満足感になります。結構楽し いですよ。サービスする楽しさですね。黙って座っているのはつらいですから。それに 利用者の生の声が聞かれないと、私達は単なるカウント職員になってしまいますので・・ 」

 「とにかく図書資料のご相談なら、夜間開館は「狙い目」ですよ。」

 「・・・・」

 「はい、そうですが・・・・」

 「はい、夜間開館にぜひお越し下さい・・・・お待ちしております。」

(こんや ひろあき 本館資料サービス事務補助員)


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