新人特別講義 北大蔵書検索システム OPAC


 北大図書館利用の前提となるコンピュータによる蔵書検索システムOPACの使用方法を解説します。OPACはお近くの図書室等に備え付けの利用者用コンピュータで使用できます。
 (インターネットの北大図書館ホームページでも蔵書検索システムWWW版を24時間利用できます。)

 なお,北大蔵書検索システムでは雑誌のタイトルは検索できますが,その雑誌に何が掲載されているかはわかりません。雑誌の掲載記事については別のデータベースを検索する必要があります。
 また,古い本(’85年以前に受け入れたもの)のなかには,いまだにコンピュータに入力されていないものがあります。文学部所蔵の中国書もコンピュータに入力されていません。その場合は図書カードで探すことになります。各学部図書室には自らの学部の,附属図書館には全学部のカードがあります。



入門編

OPACの検索の流れは,だいたい下図のとおりです。細かいことはともかく,図のイメージを覚えておいてください。操作はそんなに難しくないので,いろいろさわって慣れてください。

1.検索条件設定(最初にすること)
 検索条件を設定します。何も指定しなくてもかまいません。何も指定しないと基本検索となり,入力した検索語がすべて含まれる本を探すことになります。〈論理積演算(A and B)を使用〉



2.検索画面…検索語を入力して検索を実行します。

1.検索…検索語を入力してF1「実行」を押すとデータベースの検索が開始され,指定の検索語で全蔵書を探すと何件ヒットしたかを表示します。これを数回繰返し件数が十分に絞られた後,結果を表示させます。

2.検索結果を見る…F2「結果表示」を押すと,「簡略書誌一覧」画面(次頁)に切り替わります。



3.簡略書誌一覧表示画面…検索結果を表示します。最初に簡略書誌一覧が表示され,そこから必要な本を選ぶことで詳細画面(次頁)を参照できます。



4.詳細表示画面…所蔵場所他,その本についての情報が書かれています。次の3種類があります。





*これらの画面図は,空白を切り取る等の加工を加えていますので,実際のOPACの画面とは少し異なることがあります。



応用編

検索についての提案

 図書の検索でコンピュータが探すのは本に書かれている書名ではなく,図書館がその本について作成したいろんな索引語です。そのため,実にいろいろな問題が生じます。(例 検索語を入力するためのルールが複雑,コンピュータ用索引語(書名)と目の前の本に書かれている書名が異なるetc)これらの問題のため,検索方法によっては目の前にある本を検索してもヒットしないなんてことも起こります。
 そこで,これらの問題に余り煩わされず,できるだけ探している本をもらさず検索 ・発見するための方法を提案します(さらに、よりよく検索するためには,検索語を入力する際のルール(後述)にも注意してください。)。


1.検索語の語尾には必ず「%」をつけておく。%は前方一致検索をするための記号です。

2.検索語は,洋書は単語(語尾が変形する場合は単語の語幹)+%,和書は単語の漢字のヨミ+%とする(できるだけ短く切るのがこつ)。こうすることで「書名」「著者名」等に加えて「書名中の(重要)語」という索引語項目も検索対象となります(前置詞 助詞 漢字形があると「書名中の語」は引けない。)。
(1) 「書名」からだと,検索語と索引語が書名の頭から終わりまで(あるいは%まで)正確に一致していないとヒットしないのですが,「書名中の語」からだと単語が一致しているだけでヒットします。だから,本に書かれている書名や一般に理解されている書名とコンピュータ上の索引語(書名)が異なる場合でもOKです。

(2) 「書名中の語」という項目では漢字の読みや訳語の表記仕方等が複数ある場合でも両方検索可能となっていることが多いので,検索もれが少なくなります。

(3) 「書名中の語」を使うと件名検索(=特定のテーマについて書かれた本を探し出す)を行うのと同様な効果が期待できます(本の書名にはその本の主題が書かれていることが多いから。)。

入力例「人はいかに学ぶか:日常的認知の世界」を探す場合
(凡例 検索成功→○ 検索失敗→×)

*次のように入力すると「書名」のみが検索対象となります。
〈ヒトワイカニ〉→○,〈ひとはいかに%〉→×(読みで検索→助詞は発音どおり)
〈人は%〉→○,〈人わ%〉→× (漢字形で検索→助詞は表記どおり)
〈人はいかに学ぶか〉→○,〈いかに学〉→×,〈日常的認知の世界〉→×
(書名は頭から正確に入力する必要がある。本にどう表記されていようと図書館でサブタイトルと判断したものを検索語にするとヒットしない。)

*次のように入力すると「書名」に加え「書名中の語」も検索対象となります。
〈ひと%〉→○,〈ニチジ%〉→○,〈にんち〉→○,〈セカイ〉→○,〈マナブカ〉→○
※〈日常%〉→×,〈にんちの%〉→×(「書名中の語」は読みからしか引けない,漢字形のまま・助詞があると×)
「書名中の語」からも検索できた方が検索語入力上の制約が少なく,書名中のいろんな部分が検索対象となります。


3.「書名中の語」を使用するとヒット率が高まります。多すぎて件数が十分に絞れないときは,さらに著者名や件名(検索語種別指定かF7キーを使用)で絞るとよい。
 (2番め以降の検索語として著者名を使用するときは「姓+%」とすると十分な場合が多い。)
入力例 木田元訳・著「現象学ナントカ(正確な書名不明)」を探す場合
〈げんしょうがく%〉で212件ヒットさらに次の検索語〈キダ%〉で11件ヒット


4. 最初に入力する検索語にはあまり一般的なものは選ばない。こうすることでコンピュータのレスポンスを高めることができます。
例 検索語を入力する順を1「リンギョウ%」2「ホッカイドウ%」とすると,逆の順で計算した時よりも約3倍早く検索結果が表示されます。
参考 単独のヒット件数は りんぎょう%…962件/ほっかいどう%…4,667件です。


5.失敗してもF5「終了」やF3「クリア」を使用せず,F4キーで1ステップづつ前に戻る。

6.演算検索を使ってみてください。特に論理差条件による検索(A not B)は役に立ちます。最初の画面でF6「演算検索」を選択すると演算検索モードに入ります。
入力例 書名に現代経済と書かれた本のうちでアメリカと書かれていない関する本を探す。(論理差の例)
*F6「演算検索」を選ぶ
*1.<ゲンダイ%> 2.<ケイザイ%> 3.<アメリカ%> それぞれ単独で検索実行
*画面の説明にしたがって @(1*2)−3 と入力し検索実行
この意味:書名中に「ゲンダイ…」かつ「ケイザイ…」と書かれていて「アメリカ…」と書かれていない本を探す




◎最後に検索語を入力する際のルールを簡単に説明します。

*洋書を検索するときは冒頭の冠詞は取る。また,常に音標記号をはずす。
(Die neuen Beitr▲ge→neuen beitrage,Neue Beitraegen ぶんぽうどおり は×)

*和書でも洋書でも氏名は「姓+スペース+名」
(John F. Kennedy→Kennedy John F 但し書名中の名は表記どおり)

*かな入力する場合,漢数字…原則として読みによるがそうでない場合もある。英数…表記のまま。
(例 二二六→ニニロクジケン,第二百十回,ダイ210カイ,PC98入門→PC98ニュウモン)

*漢字で検索する場合,新仮名遣い,旧仮名遣い,当用漢字,旧漢字の違いは本の表記の通り。
(図書に書かれている書名が旧漢字によっているのであれば,新漢字で検索しても発見できないことが多い。)

*漢字で検索するときは助詞は本の表記の通り。かなで検索するときにはこれらのすべてを発音にあわせる。
(例1 漢字で検索 遠ひ●,人は,海へ→このまま)
(例2 カナで検索 トホヒクニ→トオイクニ,は→ワ,ヲ→オ,づ→ズ,日本→ニホン,私→ワタシとワタクシの場合アリ)

*中国書は日本語漢字の読みによる。(例 中国四川省→チュウゴクシセンショウ)

*「件名」については和書の場合漢字形でも読みでも検索できる。洋書の場合は,英語の件名がついていることが多いが,その図書の自国語でついていることもある。

*和書の場合,「書名」「著者名」については漢字からもその読みからも検索できる。
「書名中の語」については漢字の読みからしか検索できない。(漢字の形× 助詞等があると×)

*キリル文字書の場合,「書名」「書名中の語」についてはキリルでもアルファベット翻字のいずれも○。
「著者名」についてはアルファベット翻字のみOK。キリル文字形は×。

*検索語の語尾に%をつけることで,前方一致検索ができる
(例 検索語に「げんだい%」と指定すると「現代史」も「現代音楽」も「原題はなあに?」もヒットする。中間一致や後方一致は×)



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