新図書館情報サービスシステムについて


     その2 文献情報データベースサービス


 図書館では,世界的規模の文献情報(索引・抄録)をネットワーク(HI
NES)経由で提供しています。ユーザ登録をしていただければ普通のパソ
コン等で24時間いつでも利用できます。
 ネットワークで提供しているデータベースは
   Current Contents
   Medline
   BIOSIS です。
   Chemical Abstractsの導入についても検討中です。
 各データベースは,それぞれ冊子体の索引誌が母体となっていますが,速
報性,検索の多様性,データの蓄積量において,オンライン検索は数段勝っ
ています。
 現在,ユーザ登録数は400を超えていますが,さらに新たな利用者が増
えることを期待して紹介します。

1.検索の概要


 Current Contentsを例に検索システムの概要を紹介しま
す。
 図1は,検索した1件分のデータを表示させたものです。
 
図1 「1件分のデータ(部分)を表示させたところ」

  
著者,タイトル,掲載誌,頁,抄録,所属機関,住所など30項目以上のデ
ータがあり,表示させる項目を選択することもできます。
 
 図2は,Current Contentsの検索画面です。
  
図2   

  
簡単な操作でご利用のパソコンにこの画面がすぐに現れます。
 ・「コマンドライン」に検索する語や検索式をタイプして「Enterキ
  ー」(リターンキー)を押すと検索が実行されます。
 ・検索操作方法(コマンド)は,画面に示されていますのであらかじめ覚
  えておく必要がありません。例えば,説明を見たいときは,[‾Y H
  elp]の表示のとおり,[CTRL]と[Y]を同時に押すと,それ
  ぞれの場面での説明文(Help)が表示されるといった具合です。
 ・検索の対象をタイトル,抄録,キーワード,著者,誌名などの項目で限
  定することもできます。
 ・カテゴリー(一覧表示できます)によって,検索対象誌を限定すること
  もできます。
 ・雑誌の巻号やデータ入力週でも検索できます。
 ・最新更新分,使用言語,原著論文,抄録のある論文などに限定すること
  もできます。
 ・表示項目を設定(限定)することもできます。
 ・検索結果はプリントアウトしたり,フロッピーなどに書き込むこともで
  きます。画面で一覧しながらマークして置き,それだけに絞ることもで
  きます。
 ・検索式を保存しておき,次回以降利用することもできます。
  
図3 「プルダウンメニュー」
   検索コマンドのさらに細かい指示も「プルダウンメニュー」で
   用意されます。

  

2.データベースの内容


 3つの文献データベースの概要・収録範囲は以下のとおりです。
  
(1)Current Contents
  世界の主要な学術雑誌の目次速報です。毎週最新の情報が追加され,1
 年分蓄積されています。70%以上の文献には抄録も付いています。
  このデータベースは以下の分野に分け提供されますが,北大では現在こ
 れらの全てを利用できます。
 
[人文・社会科学系] 
 ・Arts & Humanities 
   歴史,言語,哲学,民族学,芸術,マスコミュニケーション等,人文
  科学分野の約1,200誌から採録しています。(Current C
  ontentsのこの分野だけは,隔週更新です。)
 ・Social & Behavioral Sciences
   ビジネス,財政,社会事業,公衆衛生等を含む社会科学・行動科学全
  般の約1,400誌。
 
[理学・工学系]
 ・Physical,Chemical & Earth Scienc
  es
   物理,化学,地球・海洋・天文,数学・統計学などの分野の約900
  誌。抄録付。
 ・Engineering,Computing and Techno
  logy
   工学,建築,機械,コンピュータ技術,資源,エネルギーなどの分野
  の約900誌。抄録付。
 
[生命科学・医学系]
 ・Agriculture, Biology & Environme
  ntal Sciences 
   農林,植物,園芸,漁業,酪農,食品科学生物等関連分野の約1,0
  00誌。抄録付。
 ・Clinical Medicine
   医学,臨床医学全般の約900誌。抄録付。
 ・Life Sciences
   医学,歯学,生化学,細胞・微生物,薬学,栄養学分野の約1,30
  0誌。抄録付。
 
(2)Medline
  米国国立医学図書館が作成している最も包括的な生命科学分野の文献デ
 ータベースです。医学,臨床薬学,生物学のほか,冊子体のIndex 
 Medicusには収録されていない歯学,看護学分野をも含めて,世界
 の約3千種の学術雑誌(日本のものも約150誌)を対象としています。
 データは毎月更新され年間約30万件が追加されています。
  Medlineの検索ソフトはCurrent Contentsと同
 じOvid(同社製)です。収録対象誌は,Current Conte
 ntsのLife Science編との重複がありますが,次のような
 特色があります。
 ・1966年以降の全てのデータが利用できますので,長い期間の遡及検
  索ができます。
 ・統制用語(検索のために用意された医学・生物学分野の専門用語。約1
  万6千語)を使って,テーマからの検索をより効率的に行うことができ
  ます。
 ・入力した自然語を自動的に統制用語に導いてくれます。
 ・年齢,性,ヒトなどで検索集合を絞ることもできます。
 
(3)BIOSIS (Bioscience Information 
   Service of Biological Abstracts)
  生物学,基礎医学,薬学から農産物,食品科学に至る生物学関係全般。
 収録対象誌は約9千誌。データは3か月ごと更新で年間30万以上追加さ
 れます。図書館では1992年分から提供しています。
  検索ソフトはSpirs(Silver Patter社製)です。こ
 れも画面誘導方式ですので検索操作に戸惑うことは少ないと思います。
 ・冊子体のBiological Abstractsにはない会議資料,
  米国特許なども採録されています。
 ・冊子体は主題と統制語で構成され,体系分類区分索引や概念索引を利用
  して検索しますが,BIOSISは自然語や分類コードでの検索や索引
  リストの部分表示などが利用できます。

3.検索用コンピュータについて


(1)MEDLINE, Current Contentsの利用
  HINESに接続し,VT100エミュレーションが可能な通信ソフト
 (例えばHINES当局が無償提供している通信ソフト[MML])を登
 載したパソコンであれば,接続方法(CS接続,IP接続)や機種(PC
 98,Mac,IBM互換パソコン,ワークステーション等)を問わず利
 用できます。
  なお,接続方法については種々の理由により[IP接続]をお奨めして
 います。
 
(2)BIOSISの利用 
  BIOSISの検索は,利用できるパソコン及びその環境が以下の通り
 限定されています。
 ・NEC PC98およびDOS/V機。
 ・HINESにIP接続していること。
 ・EMSメモリが1MB以上あること。
 ・MS‐DOSのシステム(Ver3.3B以上)が登録されていること。
  その他にも各種の留意事項があるため,この検索のために新たにパソコ
  ンを導入する場合は,事前に情報システム課情報処理掛に照会をしてい
  ただければ幸いです。

4.運用時間


 原則として24時間提供していますが,午前9時から10時の間は,デー
タ更新作業等のため,連絡なしに運用を停止することがあります。
 図4は,時間帯別の利用状況を表したものです。午後2時—4時の時間帯
 は利用が非常に混んでおり,アクセスできない場合があります。
  
図4 時間帯別利用回数(平成7年4月〜11月)   

  

5.利用申請など


(1)利用資格
  本学の教職員で,データベース使用料(データベース毎に年額1万円)
 を校費で支出可能な方。HINESに利用登録されている方。
 
(2)利用申請の手続き
  「外部データベース検索サービスシステム利用申請書」を部局図書室へ
 提出してください(部局図書室に用意してあります)。
 
(3)問い合わせ先
   ・利用申請,接続方法など      → 情報処理掛(内線4025)
   ・検索方法,データベースの内容など → 参考調査掛(内線2973)
 
(4)操作説明書 利用登録される方に操作説明書をお渡ししています。各
  部局図書室にも備えてあります。
 
(5)利用者連絡フォーラム 利用登録者を対象にHINESに「フォーラ
  ム」(メーリングリスト)を設けて,運用案内,更新情報の提供,質問
  等を電子メールで行っています。
                        (情報システム課)

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