情報探索入門」を終えて
 
 
 急速なインターネットの普及と学内の情報基盤の整備と相まって、大学図書館における資料も様々なかたちで電子化が進んでいます。大学図書館は冊子体の資料のほか、近年は電子的資料の保有も増加の一途をたどっています。また多くの大学図書館では自館の保有するの資料をデータベース化してきています。今後ますます増え続ける情報の中から利用者が求める資料(二次資料も含め)の所蔵状況をどのように調べたらよいか、学術情報をどのようなアプローチで、どのようなツールで探したらよいかという情報収集能力は今後ますます要求されてきています。(情報利活用=情報リテラシーともいう)
 高等教育機能開発総合センター全学教育委員会は附属図書館との協議に基づき、文献の探索方法を初年次で修得しておくことが、その後の高年次学習でもきわめて有効であるとのもとに「一般教育演習」における「情報探索入門」の講義を実施しました。
 平成13年度一般教育演習を担当する教官に「情報探索入門」の講義を希望するかどうかを問い合わせた結果、39名の教官から回答があり、前期26回、後期13回、合計826名の学生が受講しました。場所は情報教育館2階の実習室で行なわれました。
 半期(最大15回)の講義のうち1回(90分)を図書館員が講師ならびに補助者となり、2名のTAが支援に入り受講者のパソコン操作の指導を行いながら授業を行ないました。演習の時間は、あくまで担当教官が責任をもって行うということで担当教官の同席のもとに行なわれました。 
 講義内容は1.学術文献とは何か(文献の諸形態の説明)2.図書・雑誌を探す方法(北大蔵書、全国の蔵書を探すには)3.文献を探す方法(雑誌論文記事を探す)等についてパワーポイントで作成した講義要項をもとに説明し、検索例題を解きながら演習を進めてきました。図書館員がこのような形で講義を担当することは初めての試みであり、ネットワークを利用した演習でLANが混雑して繋がりずらかったりというハプニングもありましたが無事すべての講義を終える事ができました。
  教官の中には、「授業で使用する資料を検索させるようにしてほしい」と受講生に検索課題を与て講義にのぞんだケースもありました。こうした講師と教官の打合わせを事前に行い、演習の中にどのような例題を盛り込んでいくかによって講義に対する理解や関心の高さにもつながっているようです。 
 受講生のアンケートの回収率は77%で、詳細は次ページのような結果です。
 「講義には役にたちましたか?」との設問には94%のが「はい」と回答があり、また講義内容の説明に対する各々の設問ではまだ十分な理解を得るにいたっていない部分もあり次年度の課題として残りました。
 受講した学生からは「初年度に受講することでより図書館を身近に感じた」「図書館の資料を活用すべく初歩的な検索方法を習得したことにより、今後の学習を進める上で参考になった」「このような講義はもっと早い時期に受けたかった(後期受講者)」等の感想や意見が寄せられていました。90分という限られた時間の中では図書館オリエンテーション的な内容にならざるを得ませんでしたが、受講した多くの学生が早い時期に図書館に慣れ親しみ、資料や情報のサービスを享受すること知り得たことは有意義なことであったと思います。
                                                           
                                                           (参考調査掛)

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