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はじめに

 図書館の重要性は文字が発明された古代文明の時代から、連綿として長い歴史の中で語られ、受け継がれてきました。特に、紙と印刷技術が発明された後の図書館は人類の知の伝搬そして集積と保存に大きな役割を果たしてきました。そして、近年、まったく新しい図書の媒体として「電子文書」が登場し、その伝搬方法、保存方法などの利便性から今や教育研究はもとより全ての社会活動において必要不可欠のものとして認識されています。

 北海道大学附属図書館は、明治9年(1876)札幌農学校が開校された際に講堂に設けられた「書籍室」が起源であり、正しく大学と共にその発展を遂げてきました。当初6,149冊であった蔵書数も125年余を経過して、現在では約340万冊に増加し、そのなかには、北海道のみならず北太平洋及び北ユーラシアに及ぶ地域に関する資料の包括的コレクションとして知られる北方関係資料、内村鑑三、新渡戸稲造、宮部金吾など札幌農学校出身者の個人文庫、札幌農学校の蔵書を引き継ぐ札幌農学校文庫など極めて貴重な資料が含まれています。

 これらのコレクションの一部は、北方資料展示室、大学沿革資料展示室(本館4階)において市民の方々にもご覧いただくことができます。

  また、北方関係資料については、写本、写真、絵図等のデジタル化にも取り組んでおり、その成果は随時インターネットで公開されています。

 このように大学において「知の館」として教育研究の中心的な役割を果たしてきた図書館が、古くからある伝統的な図書館機能を維持しながら、先端技術を利用した新しい図書館機能に再構築する作業が進んでいます。附属図書館は、学術情報基盤のひとつとして、学術情報・資料の収集・提供・発信により、本学における教育研究活動の支援を一層強化することが求められており、近年急速に普及してきた電子ジャーナル等のデジタルコンテンツの整備、情報リテラシー教育支援を含む教育支援機能の強化、学習・教育環境の整備など種々の課題に取り組む必要があると考えています。

 図書館が大学の知の中心であることを学生・教職員の皆さんが常に意識して、大いに利用することを期待しています。

北海道大学附属図書館長 井上 芳郎



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