は じ め に
北海道大学附属図書館は、学内の各図書室はもとより、学外の諸機関とも有機
的に連携しつつ、大学の教育・研究を支える学術情報の中枢機関という役割を果
たしています。
附属図書館の歴史は、1876年に開設された札幌農学校の「書籍室」にまで遡るこ
とができますが、その長い歴史のなかで蓄積された学術書・学術雑誌をはじめ、
様々な資料を一括保存・整備して積極的に提供しています。なかでもユニークな
特色によって世界的に知られる北方資料室の所蔵資料や、内村鑑三、佐藤昌介、
新渡戸稲造の旧蔵書、スラブ関係図書などの貴重なコレクションは、内外の研究
者に広く利用されてきました。
附属図書館はオンラインによる蔵書検索サービスを1986年から稼働させ、また全
国にさきがけて1987年から目録情報の大規模で長期的な遡及入力事業を推進し
た結果、すでに全学の蔵書300万冊余りの約7割がデータベース化されました。こ
のデータベースは学術情報センターのネットワークによって広く内外に提供され、相
互利用システムを通して全国的な学術情報資源の共有体制の確立に貢献してい
ます。さらに学内研究者に対してMedline,BIOSIS,Current Contentsなどの文献
情報検索サービスをオンラインで提供しています。これらのデータベース・サービス
は、WWW(http://www.lib.hokudai.ac.jp)で24時間利用できます。
1997年4月からは、本館および北分館の平日22時までの開館時間延長、本館の休
日開館を実施するなど、一層のサービス向上に努めています。また、本館および北
分館のそれぞれにおいて利用環境の整備をはかるとともに、附属図書館の新営構
想にも積極的に取り組んで参ります。21世紀に向けて飛躍しようとする北海道大学
の教育・研究活動の高度化に見合った効率的で快適な新しい学術情報の中枢をめ
ざした計画を鋭意検討中です。新図書館構想の具体化向けて関係者各位の助言と
ご協力をお願いします。
平成9年4月 北海道大学附属図書館長 原 暉之
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