附属図書館では、教員各位のご理解・ご協力のもとに電子ジャーナル・各種DBの導入をはじめとする学術情報の利用環境整備に努めているところですが、近年、情報受信の環境整備だけでなく、大学が大学自身の研究成果等を積極的に収集し、広く社会に発信してゆく体制についても強く求められるよう になってきました。科学技術・学術審議会が2002年3月に公表した『学術情報の流通基盤の充実について(審議のまとめ)』の中でも、附属図書館を中心とした情報関連組織の連携による統一的な発信体制の確立が各大学に要請されています。(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/toushin/020401.htm)
附属図書館では、この要請に対する取り組みの一環として、大学等がその機関内で生産された電子的学術情報を蓄積・保存し、効果的に発信するシステムとして注目されている「学術機関リポジトリ(電子保存庫)」システムの本学における有効性の検討を進めています。
このたび、学内の学術情報の電子化とその発信に関する教員の方々の意識やご意見等を伺い今後の検討の参考に資するため、本学所属の助手以上の教員全員を対象として、下記の通りアンケートを実施させていただきました。
調査期間 | 平成16年11月29日~12月10日 |
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調査対象 | 本学全教員(助手以上の現員 2142名) |
回収枚数 | 466枚(ほか研究員、院生・学生・研究生等 42枚)12/20現在 |
回収率 | 22% |
[設問1] 作成または作成に携わった電子的な学術情報をお持ちですか?それはWeb上で公開されていますか? | |
70%以上の336人の方が電子化された学術情報を持っているという結果であった。 「商業誌・学会誌に掲載された論文」は「外部のサイトから公開している」場合が最も多いのに対し、他の学術情報は「公開していない」割合が最も高くなっている。 そのデータ形式は、77%がPDFで、次いでHTML と MS Word が 20%、PowerPointが17%と続いている。 | |
[設問2] オープンアクセスの考え方についてどう思われますか? | |
| 11%の方が「賛同しすでに実践している」という回答であった。「賛同するが実践はしていない」が54%で最も多く、「機会があれば実践したい」26%と合わせると、91%の方がオープンアクセスの意義を認めている。 |
[設問3] 学術機関リポジトリが構築された場合、ご自身の学術情報を登録して情報発信することについてどう思われますか? | |
「賛同するので登録したい」が70%、「賛同するが登録したくない」が14%、「賛同できない」が3% という結果であった。 残りの13%の「その他」の意見は、そのうち約半数が、著作権問題がクリアなこと、負担が軽いこと等の条件付きで登録したいという意見、40%が現時点では判断できないという意見、10%が否定的な意見であった。 | |
[設問4-1] 設問3で「賛同するので登録したい」と答えた方、理由は何ですか? | |
「研究成果等をより多くの人に公開できるから」が最も多く、設問3で「賛同したいので登録したい」回答者の91%の方に挙げられている。次いで「研究・教育資源の共有化に有効だから」が61%、「可視性が上がり論文等の被引用率が高くなるから」が51%であった。 | |
[設問4-2] 設問3で「登録したくない」「賛同できない」と答えた方、理由は何ですか? | |
設問3で「登録したくない」「賛同できない」と回答した方のうち、66%の方が「著作権上の問題が心配」、63%の方が「登録作業が面倒」、56%の方が「研究成果は学術雑誌に発表すれば十分だから」を理由に挙げている。次いで、「学術情報機関リポジトリに関する情報が不足」51%、「利用者による悪用が心配」48%で、ほぼまんべんなく選択されている。 | |
[設問5] green publisherに論文を発表したことがありますか?その出版社はどこですか? | |
58%の方が「発表したことがある」という回答であった。発表したことがある出版社では、Elsevierが圧倒的に多く、発表したことがある方の83%が挙げている。 green publisher:ポストプリントをセルフアーカイビングすることを認めている出版社 |