教職員氏名順INDEX
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- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
今読まずにいつ読むか。
言論・出版の自由 / ジョン・ミルトン. - 岩波書店 , 2008
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つい最近、マスメディアに対する権力側の幾つかの横暴とも言える対応が報道された。報道機関やジャーナリストたちはそれなりに危機感を示しているもののいよいよ政治権力が牙をむき始めた、という慄然たる思いがする。大学に身を置く我々にとって大切な、日本国憲法で保障されている学問・良心の自由もいつ危うくなるか分からない。その前に読んでおくべきものとしてこの本を推薦しておく。 |
登録日 : 2016-09-24
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
いつの時代にも共通する「悶々」
恋愛論 / スタンダール. - 岩波書店 ,
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スタンダールの『恋愛論』と言えば、「結晶作用」や「恋愛の四分類」であまりにも有名であるが、これらのことばだけが一人歩きしてしまっている観がなきにしもあらずである。この本は、周知のようにスタンダール自身がある女性との恋愛に悶々としていた経験を下敷きにして、当時のヨーロッパの知識人の12世紀から18世紀にわたる古典的教養を背景として書かれた人間観察の集成と言えるものである。そこに描かれる様々な恋愛事情の「悶々」は、21世紀日本の我々には分かりにくい部分や、今なら御法度になる部分を含んではいるものの恋愛という経験について今なお教えてくれると... [続きを読む] |
登録日 : 2016-09-24
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
東北大震災以後の日本を世界史的規模で考える
3・11以後この絶望の国で : 死者の語りの地平から / 山形孝夫・西谷修. - ぷねうま舎 , 2014
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この本は、東北大震災で被災した宗教学者の山形孝夫氏と、現代思想のあり方を問い続けてきた哲学者の西谷修氏との対談である。表題を見ると、現代の日本を直接の対象としているようであるが、むしろ対談者のお二人の中心問題は、(制度的)キリスト教世界の成立とそれが世界に何をもたらしたかということにあり、その延長線上で、ある時点から道を踏み外し始めた世界と、「死者の口封じ」の道具と化してしまった宗教への危機感が語られる。東北大震災はその具体的な危機の露呈の現場として考察され、その危機的状況からのどのような救いの道があるかは、山形氏の”つぶやき... [続きを読む] |
登録日 : 2016-09-24
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 小泉均 所属 : 工学研究院 身分 :
自分の「夢」とどう向き合うか
夢があふれる社会に希望はあるか / 児美川 孝一郎. - KKベストセラーズ , 2016
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キャリア教育の専門家が、[将来なりたい職業や成し遂げたい事などの]「夢」との付き合い方について述べている本である。著者は、「現在の日本社会は、『夢』をあおる社会であり、夢を持つことを強要する雰囲気を持った社会である。」ととらえている。そのような社会の中で、1)「夢」が見つからないとき、2)「夢」の実現を全力でめざしているとき、3)「夢」が実現できそうもないとわかったとき、どのように考え対処していったら良いか、キャリア教育や心理学などの研究成果にもとづき述べられている。
「重要なのは、[夢が見つからなくても]思いつめたり... [続きを読む] |
登録日 : 2016-09-08
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
物語はまだ終わらない。
水滸後伝 / 陳忱. - 平凡社 , 1966
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ここに推薦するのは、『水滸後伝』である。『水滸伝』ではない。まずその点を間違えないようにお願いしたい。『水滸伝』=本編を推薦していないのに『水滸後伝』=続編を推薦するのは無茶苦茶だという批判もあることは承知の上である。ましてや僕は、本編は横山光輝の漫画版で読んだ(だけな)ので、この推薦はなおさら無謀である。しかしそれでもなお推薦するには理由がある。一つには、大方の学生諸君は小説であれ漫画版であれ本編を読んでいる人は多いだろうと想像できること、二つには、続編という位置づけながらそれ自体でなかなか想像力に溢れた活劇として面白い、と... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-22
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
この難しい時代をどう生きるか
感情で釣られる人々 : なぜ理性は負け続けるのか / 堀内進之介. - 集英社 , 2016
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去年から書店の本棚に“反知性主義”ということばを含む表題の本が並ぶようになってきた。国内・国外にわたって難しい問題が山積し、それらに対する処方箋がなかなか見つからない中で人びとのある種のいらだちのようなものが確かに感じられるし、それが時としてこれまでの価値観に対する破れかぶれの破壊衝動のように見える場合もあって、そのようなことばが現代社会の懸念すべき問題として本の表題になることは理解できる。しかし、その一方で、問題のあり方が様々に複雑化・多様化している世界の状況を“反知性主義”という術語で語ろうとするのもある種の“メタ・反知性... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-20
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「男対女」の構図をいかに乗り越えるか
男子問題の時代?-錯綜するジェンダーと教育のポリティクス- / 多賀太. - 学文社 , 2016
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ジェンダー、あるいは男女平等/差別の問題が語られるときにほぼお決まりになっているパターンとして「男は支配する側、女は支配される側」あるいは「男は加害者、女は被害者」という言説がある。日本の社会のかなりの部分でそれは当てはまるのかもしれないが、僕はこの見方には強烈な反発を持っている。それは、“日本語教師”という「女性8割、男性2割」の業界で働いてきた経験から、女性が多数者側になれば「女性は加害者、男性は被害者」という事態も容易に出現することを知っているからである。そのような意味で日本のジェンダー研究はまだ色々なことを考え直さなければ... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-15
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
新たな歴史哲学を考える原点として
歴史における言葉と論理-歴史哲学基礎論- / 神川正彦. - 勁草書房 , 1970-1971
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この本については、少し過激な(?)推薦文を書きたい。
先日、某大学(敢えて名は秘す)の日本現代(1950年代以降)哲学の授業のシラバスを見ていたら、そこで取り上げてられているのが大森莊藏、廣松渉、坂部恵であった。しかしこれでは、結局戦前は「京都学派」で、それが戦後になったら“東大”に変わっただけじゃないか、という印象を拭えない。日本の哲学というのは京大と東大の“官学アカデミズム”の中で選手交代をやっていただけだとしたらあまりにも悲しい。ここに推薦する神川正彦は、今はもう哲学専攻の学生でも名前を知らない人が多いかもしれないが、... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-13
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「承認」を切り口にして社会を考える
承認-社会哲学と社会政策の対話- / 田中拓道. - 法政大学出版局 , 2016
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「承認」というと堅苦しい響きがあるが、要するに「認めてくれ!」ということである。ではなぜある人びとやある問題が社会の中で認められていないのか、どのようにすればその問題にアプローチできるのか、といったことに気鋭の研究者たちが正面から取り組んだ労作である。その際の基本的視角となっているのは現代ドイツの哲学者アクセル・ホネットの“承認の哲学”と、それに関するナンシー・フレイザーとの論争である。決して易しくはないが、ここからさらに各自の関心に応じて(芋づる式に!)読書の範囲を広げ問題を整理することができるだろう。よく言われる「哲学が何... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-12
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
古典と現代をつなぐ読み方を知る
社会契約論-ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ- / 重田園江. - 筑摩書房 , 2013
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高校の世界史や政治経済の授業で「社会契約論」という考え方を知ったときに感じたのは、ルソーにせよロックにせよなぜあの時代の西ヨーロッパの思想家がそういうことをわざわざ考えなければならなかったのか、という強烈な違和感だった。「社会」というものをみんなで作ろう(?)といった感じで最初に約束事をするという発想自体について行けなかったのである。実は今でもその違和感は抜けきらず、“起源”ということをやたらに理屈を付けて解き明かしたがる(そのくせ割合に最後は「神」が出現して一切が片付く)西欧の思想にとことん付き合いきれない思いがある。
こ... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-07
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
さらに一段上の文章表現力のために
論理が伝わる世界標準の「書く技術」-「パラグラフ・ライティング」入門- / 倉島保美. - 講談社 , 2012
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ここに何度か書いたことだが数年前から「一般教育演習(フレッシュマンセミナー)」で文章表現が苦手な学生のための日本語文章表現法の授業を展開してきた。ただ、色々と訳あってこの授業は今年度で終わりにすることにした。そこで、これに替わるものとして、また、“苦手”のレベルを脱した学生がさらに上のレベルの文章表現力を身につけてもらう上で参考にすることができるようにこの本を推薦しておく。この本は、それ自体が主題としている「パラグラフ・ライティング」によって書かれているので、技法と実例を同時に身につけることができる点で優れている。あとは練習あるの... [続きを読む] |
登録日 : 2016-07-31
基本書
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
戦後日本の思想の絡まりを解きほぐす
現代日本思想論-歴史意識とイデオロギー- / 安丸良夫. - 岩波書店 , 2004
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この本は、戦後日本の社会科学(主として政治学と歴史学)の中で誰がどのような議論を展開しそれが誰に受け継がれ誰に批判されその中からどのような議論が新たに形成されてきたかを論じる第一部と、戦後の主に海外の歴史学研究方法論、丸山眞男の思想史研究、そして著者自身の現代社会状況分析からなる第二部とに分かれている。読者の関心に応じて興味を引かれる部分は異なると思うが、特に第一部は戦後の社会科学研究の“思想地図”といった内容になっており、広く日本の戦後政治や思想を学ぶ上での基本的な知識を提供してくれている。これらの方面に関心のある学生に一読... [続きを読む] |
登録日 : 2016-07-29
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
歴史学者とはどのような人々か
昭和史学史ノート-歴史学の発想- / 斉藤孝. - 小学館 , 1984
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歴史学者が歴史研究を行ったり歴史書を書いたりするときには当然その歴史観が反映される。史学史とはそうした歴史観や歴史記述の態度・意識の歴史である。この本では、具体的な個々の(主に昭和戦前・戦中期の)歴史学者を取り上げて通観することによって昭和の歴史研究がどのようなものであったかを示そうとするものである。歴史に興味のある学生、歴史学者の仕事を覗いてみたい学生、昭和時代を何らかの学問の研究対象としたい学生にお勧めする。 |
登録日 : 2016-07-29
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
数学界に革命をもたらした「不完全性定理」とは何か
登録日 : 2016-06-27
基本書
- 推薦者 : 河合剛 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
温故知新
登録日 : 2016-06-27
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「辞書にはドラマがある」
<辞書屋>列伝-言葉に憑かれた人びと- / 田澤耕. - 中央公論新社 , 2014
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以前の推薦文に、最近岩波新書(新赤版)がつまらなくなってきた、と書いたが、最近の新書(岩波に限らない)ときたら、もう池上彰、佐藤優、島田裕巳、内田樹ばかり目立つ(少し前ならこれに香山リカも入っていた)。商業的に売れる本を書きたいというのは出版社の本音だろうし、若者の読書離れなどということも言われる中で出版社の新書編集部も大変だろうなぁとは思うが、こうも顔ぶれが変わらないと彼らの熱烈なファンでない限り購買意欲が逆にそがれてしまう。それにしても、この四人はよくも新書の大量執筆ができるもので、その点はうらやましい限りである。
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登録日 : 2016-06-19
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
私もプロレスの味方です。
新日本プロレス12人の怪人 / 門馬忠雄. - 文藝春秋社 , 2012
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この推薦図書の表題を見て目をむいたそこのあなた、附属図書館の蔵書検索欄に「プロレス」と入力してみるとよい。北大附属図書館には、プロレス関連図書が結構色々あるのだ。つい先日出たばかりの三田佐代子『プロレスという生き方』(中公新書ラクレ)も図書館は入れてくれた。ずっとお堅い本ばかり推薦してきていい加減疲れたというのもあるのだが、プロレスというのは最高のエンターテインメント(の一つ)であって、それについて知ることは自分の世界を広げることになると思い推薦することにした... [続きを読む] |
登録日 : 2016-06-01
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
あなたの知らないディープな大学図書館
変わりゆく大学図書館 / 逸村裕・竹内比呂也. - 勁草書房 , 2005
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北大図書館を頻繁に利用する人や図書館ウェブサイトをよく見る人の中でどのくらいの人が図書館トップページの一番右にある「附属図書館について」を見ているだろうか。図書館ホームページの中で蔵書検索やお知らせと同じくらい閲覧されていいページはこの「附属図書館について」の中にある様々な情報だと思う。それほど更新頻度が高いわけではないが、図書館がどのように北大の研究・教育活動に貢献しているか、そのために職員の方々がどのような仕事をしていらっしゃるかがよく分かる。時間があるときには是非見てほしい。それと関連して... [続きを読む] |
登録日 : 2016-05-26
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
現代アラブ文学への扉
バイナル・カスライン / ナギーブ・マフフーズ. - 河出書房新社 , 1988
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『千夜一夜物語』以外でアラブ文学を読んだという人は、おそらくごく少数だろう。現代アラブ文学と聞いてもおそらく作家名もイメージも思い浮かばないと思う。かく述べる僕自身も、自分がエジプトに赴任するまでそれらについては全く知らなかった。ここに挙げる『バイナル・カスライン』とその著者ナギーブ・マフフーズについてもエジプトに行ってから周囲の同僚や学生たちに教えられて知ったのだが、その当時既にこの本を含む「現代アラブ小説全集」は刊行されていた。マフフーズは、アラブ世界初のノーベル文学賞受賞者(1988年)であり、僕がカイロにいたときにはまだ存命し... [続きを読む] |
登録日 : 2016-05-23
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
現代哲学の源流をたどる
人間知性の探究・情念論 / デイヴィッド・ヒューム. - 晢書房 , 1990
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現代哲学、あるいは哲学史に於ける「現代」というのがなに/いつを指すのかは色々議論があるであろうけれども、(ニーチェを別にすれば)20世紀以降の西洋哲学のかなりの部分が目指そうとしたことは、ヒュームの哲学を練り直し、彼が問題としてことを問い直して現代に甦らせようとすることだったと言って良い。(例えば、ジョン・デューイはそのことをはっきりと述べている。) ヒュームは、哲学史の教科書的に言えば、懐疑論者でありイギリス経験論の完成者であるなどと言われるが、-そう見ることも可能であるとしても-彼が目指したのは日常的な経験をいかに概念化して人間の... [続きを読む] |
登録日 : 2016-05-23
ぜひ読んでみてほしい
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