附属図書館所蔵「ヤエンコロアイヌ文書」が 国の重要文化財に指定

文部科学省文化審議会は,3月18日(月)開催の同審議会文化財分科会において,本学附属図書館所蔵の「ヤエンコロアイヌ文書」を「カラフトナヨロ惣乙名文書(ヤエンコロアイヌ文書)」の名称で国の重要文化財に指定することについて,文部科学大臣に答申しました。

【指定の概要】

重要文化財(美術工芸品)<歴史資料の部>

カラフトナヨロ惣乙名文書そうおとなもんじょ(ヤエンコロアイヌ文書もんじょ)(十三通) 二巻

カラフト西岸ナヨロの惣乙名(複数村落の統括者)をつとめたアイヌの氏族長の家に保管,伝来した文書群で,清朝関係文書4通と日本側作成文書9通の計13通で構成されます。前者は18世紀後半から19世紀前半にかけての満文2通(1通は官印が押捺された公文書)と漢文2通で,清朝への進貢に関する内容をもっています。日本側作成文書は,江戸時代後期(18世紀末から19世紀中葉)のもので,最上徳内らカラフト探査に携わった人物による前記満文文書ほかを披見した旨の書付,ならびに箱館奉行所等発給の惣乙名職等の任免に関する文書の2種に大別されます。18世紀から19世紀にかけてのカラフトアイヌと中国,日本との関わりを伝える極めて稀有な文書群であり,当該期のいわゆる北方世界の歴史研究上に学術的価値が高いと評価されました。


図 乾隆40年(1775年)の満文文書

当館は、この度の重要文化財指定を大変光栄に思います。
関係の方々と協力し学術的に貴重な資料として後世に引き継いでまいります。

【閲覧】

附属図書館の北方資料データベースでこの文書の画像を公開していますのでご利用ください。
資料保存のため,閲覧時はレプリカ(写真複製)での取り扱いとなります。
閲覧の手続きについては,利用案内の「利用手続き」をご確認ください。
※貴重資料の閲覧は、原則として平日の 9:00~17:00の利用となっております。本館の総合カウンターで請求してください。

また,今回特別に2019年4月16日(火)から5月6日(月)まで,「平成31年新指定国宝・重要文化財展」(東京国立博物館)で一般公開を予定しています。本物を見られる貴重な機会ですので是非ご覧ください。

【参考資料】
この文書の全文は以下の資料に翻刻または解説されています。
池上二良「カラフトのナヨロ文書の満州文」『ツングース・満洲諸語資料訳解』北海道大学図書刊行会 2002/初出1968
小川運平 (満文・漢文部分)『満州及樺太』博文館 1909
小川運平 (和文部分)『日本ト大陸』北駸学会 1923

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