平成14年度特別図書購入費で購入した資料


 
 
●英語版 ボロブドウール(Barabudur) 全4冊

世界的文化遺産であるインドネシアのボロブドウールに関する詳細な調査報告書の英語版(原著はオランダ語版)。解説編2巻2冊及び図録編3巻2冊より成る。図類総700頁、解説総882頁に及ぶ。クロス装カバー付。図録篇には、隠れた基壇を含む説話図浮彫、遺蹟の眺望、仏像・仏塔図、建築図面などの図版692枚を鮮明に縮刷して収録。解説篇には、クロムの考古学的解説に、チヤンドラ博士の序を新たに補っている。

●Stevens' Handbook of Experimental Psychology, 3rd ed. 全4巻(John Wiley)

本書は50年ほど前に第1版が刊行されて以来、改訂が重ねられ、本年第3版が刊行され たことからも分かるように、実験心理学の分野では最も定評があり、かつ、信頼されてい るハンドブックの一つである。第3版においては、最近10年間での最新の知見が数多く収 録されている。第1巻 感覚と知覚、第2巻 記憶と認知過程、第3巻 学習、動機付け、 感情、第4巻 実験心理学における方法論、という内容は実験心理学の基本的なテーマを 網羅するもので、方法論や行動遺伝学等の最新の研究結果も加わりより詳細な内容となっ た。

●2000年世界農林業センサス(財団法人農林統計協会情報事業部)

  1. 農業集落カード CD-R(北海道)
  2. 農業調査一覧表 CD-R(北海道)
  3. 農業集落地図データ CD-R(北海道)
農林業センサスは、すべての農林業経営体を対象として5年おきに実施される国の指定統計であり、同分野における最も基本的な統計である。農業集落カード・農家調査一覧表には、この農林業センサスの結果の中でも、全国13万箇所の農業集落を単位とした最も詳細なデータが収録されている。その際、1970年以降の7回にわたる調査結果が、時系列的に比較することが可能な様式で提供される。また、農業集落地図データは、パソコン上で稼動する汎用GIS(地理情報システム)における利用を前提として、shapeファイル形式にて作成されている。

●ナショナル・ジオグラフィック DVDビデオ(東宝東和)

  動物たちの豊かな世界シリーズ:32巻セット
  地球の脈動と生命のドラマシリーズ:23巻セット
ナショナル・ジオグラフィック協会は、非営利の世界最大の科学・教育団体であり、その機関誌は世界180カ国に1,000万人を超える読者を擁している。「地理学の知識の向上と普及」を目的として設立された同協会は、6,500にものぼる世界的規模の調査・探検活動を支援し、地球を調べ続けてきた。本セットは、それらの貴重な映像の数々を、美しく鮮明なDVDビデオシリーズとしてまとめたものである。その収録内容は、地理(ジオグ ラフィック)の領域を超えて、自然・探検・歴史・地球環境・科学・宇宙民族・文化・世界の現状など、きわめて多岐にわたっている。

●台湾教育 16mmマイクロフィルム 28リール 明治34(1901)年7月〜昭和17(1942)年12月 (第1〜487号)(台湾教育会)

植民地期台湾における教育の理論・実践について具体的な諸政策を掲示する目的で発行された「台湾教育会雑誌」のマイクロフィルム版。

●斯民 復刻版 第1〜10,17,21,23,32,38巻、別冊(目次総覧<新版>)(不二出版)

戦前日本の中央報徳会の機関誌である。明治39年4月創刊。昭和21年12月まで全40編471号刊行された。本誌は戦前の内務、農商務、文部各省の地方行政、地方自治方面の官僚を主導に編集刊行されたもので、戦前日本の内政を理解する上で欠かせない資料である。

●満州ニュース映画(VHSビデオ)全10巻(日本報道記者会)

旧満州国の国策映画会社「満州映画協会」が作成したフィルムからニュース映画をすべて抜き取ったシリーズ。

●Report of the Royal Commission on Taxation. Vol.1-6 with Consolidated Index. (極東書店)

「カッター報告」として有名な税制改革案を掲示した歴史的に貴重な本である。カナダにおいて包括的所得税の提案を行った本で、現在でも包括的所得税論のバイブルとなっている。

●The Economic Writings of William Thornton. 5 vols. (Pickering & Chatto)

William Thornton(1813-80年)は、19世紀中頃に活躍したイギリス人経済学者であり、この著作集には彼の主要著作が全て含まれている。Thorntonは、アイルランド問題について、大規模農場ではなく、自作農創設という解決策を掲示し、当時の重大な経済問題に取り組むのとともに、理論面でも需要供給原理を検討し、J.S.ミルの賃金基金説「撤回」に重大な影響を与えた人物である。

●中外商業新報(復刻版)1889-1890年 第1〜12号 (柏書房)

「日本経済新聞」の前進で、1876年に創刊された「中外物価新報」が改題されたものである。「物価新報」時代から全国主要都市の「商況」、即ち物価及び株価データとその解説、「海外商況」、米相場の速報等の「電報」等、当時の新聞・出版業界においては質量ともに他の追随を許さない経済情報を掲載していたが、「商業新報」への改題後、頁数の増加により更に記事の内容が充実した。1942年「日本産業経済」と改題し、次いで1946年「日本経済新聞」と改題して現在に至っている。本誌は既にマイクロフィルム版が(株)ニチマイより刊行されており、その復刻版である。

●Journal of Communication Inquiry. Vol.1-16 (1974-1992) (Univ. of Iowa))

コミュニケーションとマスコミュニケーションという社会現象を社会学、文化研究、歴史、哲学、法律、その他の幅広い視点から学際的に研究することを主な目的とする雑誌。

●Europaeische Zeitschrift fuer Wirtschaftsrecht(EuZW) 1990-2001 (C.H.Beck)

名称は「ヨーロッパ経済法雑誌」というものだが、扱われている領域は民法・商法・民事訴訟法・破産法と私法全般に及び、論文はもちろん、裁判例も取り上げられている。またタイトルがドイツ語のみならず、英語及びフランス語でも表記されていることからも分かるように、ドイツ法のみならず、ヨーロッパ各国の法制度が検討対象とされており、近時のEU法への流れの具体的諸相を把握するうえで有益このうえない文献である。さらに少なくともドイツにおいては、近年ヨーロッパ統合への志向性が強いことも相まって、EU法あるいはヨーロッパ各国法への関心がことのほか高まっており、本誌はそのフォーラ的役割を果たしている。現代ドイツ法のみならず、現代ヨーロッパ私法を語るうえで必要不可欠な文献であり、引用頻度も極めて高いことを付言しておく。

●Bibliothek des deutschen Strafrechts: Alte Meister 24-30,32-34 (Keip Verlag)

本叢書は、現在原本では非常に入手が困難となっている、ドイツ刑事法学研究史上著名な基本文献を精選する大型復刻シリーズです。本叢書には中世から今日に及ぶドイツ刑法・刑事訴訟法の成立とその発展に画期的な役割を果たしてきた古典的な名著が網羅されております。16〜18世紀の著作を収録する「初期刑法学者編」(Alte Meister)、19世紀の著作を収録する「近代刑法学者編」(Meister der Modeme)、そして今世紀初頭の重要文献を精選した「20世紀刑法学者編」(Neur Meister)から構成されており、ドイツ刑事法学研究をする上でなくてはならない重要文献である。

●Digest of Strasbourg Case-Law Relating to the European Convention on Human Rights. Vols. 1-6 (Heymanns)

本書は、ヨーロッパ人権保護条約に基づき設立されたヨーロッパ人権裁判所の判例をダイジェストに編集したものです。

●Journalism & mass communication quarterly. 1990-現在までのバックナンバー(AEJMC)

1912年設立の米国最古、最大のジャーナリズム、マスコミュニケーション分野の学会「ジャーナリズム・マスコミュニケーション教育学会」(AEJMC)が発行する、同国で最も権威ある当該分野の学術雑誌。内容は最新のコミュニケーション理論、国際コミュニケーション、ジャーナリズム史など多岐にわたる。1924年創刊。季刊。現在の事務局はサウスカロライナ大学ジャーナリズム学部。

●e-コマースシステム技術大系(フジテクノシステム)

電子商取引に関する技術解説書。考えられうる技術に関して体系的・網羅的にまとまてあり、実務家による執筆により、実用性の高いものとなっている。

●日本語版ワイリーのコンピュータセキュリティハンドブック(フジテクノシステム)

コンピュータセキュリティに関するあらゆる視点を網羅的に集大成したもの。技術だけではなく、背景社会との整合を目指す意味で、法律、判例、組織論、規制類などの説明も加えられている。

●日本語法史 全4巻 (笠間書院)

日本語を一貫した方法で通時的に上代から近世まで記述した書籍。奈良・平安、鎌倉、室町、江戸編などに分かれた、全4巻。日本に現存する図書の中で、本書籍のみが上代から近世までの日本語を歴史的に研究しており、極めて基礎資料性の高い基本にして上級のコレクションであることは疑いようがない。

●Routledge Encyclopedia of International Political Economy. 全3巻 (Routledge)

国際政治経済学は、「経済化」が進む20世紀後半の国際政治を、より市場の影響を含めた広範な分析を目的にロンドン大学LSEが始めた学問分野である。本書は、グローバリゼーションが急速に進展する世界情勢を背景に、過去10年間飛躍的に発展を遂げている国際政治経済学の諸問題・諸理論を網羅的にカバーした初めての百科事典である。同じ Routledge 社から出ている、グローバリゼーションに関する事 典Globalization:Critical Concept in Sociology とセットで所蔵することにより、グローバリゼーションと国際政治経済学が相互補完的に理解できる。

●Globalization: Critical Concepts in Sociology. 全4巻 (Routledge)

地球上のあらゆる現象が、相互にしかも敏感に影響しあう今日の状況は、「国際」の視点よりもグローバリゼーションの視点が適している。本書は、社会科学の老舗 Routledge 社がグローバル化の諸概念、諸理論の研究論文を網羅的に収め、学際的視点から、国際システムにおける国家、アイデンティティー、人権、環境、メディア、などのテーマについて詳細に説明している。総合索引を備え、辞書としての機能も持ち合わせる。同じ Routledge 社から出ている国際政治経済学の事典、Routledge Encyclopedia of International Political Economy とセットで所蔵されることが国際関係論の立場からも非常に望ましい。

●Culture: Critical Concepts in sociology. 全4巻 (Routledge)

本書は、「文化」という人口に膾炙しつつも、定義が難解である概念について、学際的な論文を収録して、「文化」の多面性や広範な解釈の幅について説明している。文化と社会構造、信条、唯物論、階層構造、再生産、サブカルチャー、視覚文化、 都市文化などにおける、デュルケームなどの古典的名著から、ブルデューなどの比較的新しい論文を収めている。本書は、収められた論文の背景や違いを説明する序文をつけており、学生諸君の理解や本書の概要把握に便利である。また、完全索引がついており、全巻を通しての関連箇所参照が可能である。

●Social Networks: Critical Concepts in Sociology. 全4巻 (Routledge)

本書は、元来ミクロなコミュニケーションやリーダーシップを研究してきた社会ネットワーク概念が、より広範な政治経済関係の研究対象、そしてIT時代のより強力な分析概念となってきた「ソーシャル・ネットワーク」分析を踏まえて、この分析技術の変遷における重要な諸文献、諸情報を網羅的に収め、より体系的に使える「ソーシャル・ネットワーク」の資料となっている。仝4巻は7章に分けられており、ソーシャル・ネットワークの概念化、計量社会学、数理学的ネットワークモデルに注目しながら、家族及びコミュニティー、組織力と経済構造、政治的抗議と政策的ネットワーク、知識、世評の問題などを取り上げている。量、質ともに優れたコレクションである。


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