コレクション 【 個人蔵書 】 (附属図書館所蔵)

ヴェルナツキー・コレクション / スヴァーリン・コレクション / レンセン・コレクション / エプシュタイン・コレクション

ペルンシュタイン・コレクション / ロシア亡命文学コレクション / ヘンリク・ゲルシンスキー旧蔵ポーランドコレクション

ギブソン文庫



(1) ヴェルナツキー・コレクション

(Russian and East European Collection of G.Vernadsky)  約 5,000冊 [ヴェルナツキー・コレクション詳細] (1978年度大型コレクション)

 ロシア革命後アメリカに亡命し、イエール大学教授となったロシア史家ジョージ・ヴェルナツキー(1887 - 1973)の旧蔵書。西欧および東欧諸語の文献 3,886タイトルを含む。このコレクションからロシア語文献が除かれているのは残念であるが、ロシア・東欧の各地域に関する基本的な文献を数多くみることができる。『ヴェルナツキー文庫目録』(Russian and Eastern European :a List of the George Vernadsky Collection. 1982, 403 pp.)は、附属図書館が刊行したこのコレクションの分類目録で、著編者、書名索引を有す。


(2) スヴァーリン・コレクション

(Boris Souvarin Collection on Russian Revolutionary Movements.1980,164pp.)  835 タイトル [スヴァーリン・コレクション詳細] (1978年度大型コレクション)

ロシア革命後覚内反対派に加わって追放され、パリでジャーナリストとして活動しながらロシア革命運動に関する資料を収集し続けたポリス・スヴァーリンの有名なコレクション。内容は19世紀末から20世紀初頭にロシアの国内及び国外で印刷されたロシアの革命運動関係の文献で、多くは100ぺ一ジに満たないパンフレット的出版物である。中にはロシアに持ち込むためにロンドンやジュネーブで印刷された革命的出版物も少なくない。その性格上、筆者の変名、匿名の出版物がすこぷる多く、当時の革命的状況を物語っている。附属図書館刊行の『ボリス・スヴァーリン・コレクション目録−ロシア革命運動資料』(Russian Revolutionary Movements. 1980, 164pp.)では、これらの変名、匿名が可能な限リ調査され、著編者、書名索引のほか刊行年索引も付している。このコレクションの利用は、原資料の保存のためすぺてマイクロフィルムによることになっている。

→ 細谷新司氏(前一橋大学社会科学古典資料センター教授)による解説

「ベルンシュタイン=スヴァーリン文庫」について (1) ; (2) ; (3) (一橋大学附属図書館報「鐘」より)


(3) レンセン・コレクション

(George Lensen Collection on Russo-Japanese Relations) 約 3,200冊 [レンセン・コレクション詳細] (スラブ研究センターより移管)

日露・日ソ関係史で世界的に知られていたアメリカのフロリダ大学故ジョージ・レンセン教授(1923 - 1979)の旧蔵書。レンセン文庫には、約 3,200冊の単行本(日本語・中国語 667冊、英・独・仏・露語など 2,524冊)のほかにマイクロフィルム(450タイトル、130リール。カード・リストあリ)や多数の手稿資料が含まれている。その特色は、日露・日ソ関係、ソ連の極東政策以外に周辺地域の歴史、政治・経済、国際関係、文化に関する広汎な図書資料が精選して集められていることである。検索はカード目録(分類、著編者、書名)による。

→ 秋月孝子氏による解説


(4) エプシュタイン・コレクション

(Fritz T.Epstein Collection on the Foreign Relations of the Soviet Union) 約 2,750タイトル [エプシュタイン・コレクション詳細] (1982年度大型コレクション)

旧蔵者のエブシュタイン教授(1898 - 1979)は1933年ドイツから米国に亡命し、その後各地の大学で教授を歴任し、戦後帰国した。このコレクションは、所蔵者の学問的関心を反映して、主としてロシア・ソビエト史、とくにソ連の対外関係史に関する英・独・仏・震語の文献からなっている。全部で 2,750点の蔵書のうち、約 2,300点が欧文、約 450点は露文である。なかでもく独ソ関係〉が重要なテーマになっている。ロシア語文献は全体の5分の1にすぎないが、内容は精選されておリ、ドゥホボールに関する基本的なものまで含まれている。このコレクションの書誌データはすでにコンピューターに入力済みであり、データを検索している時にめぼしい資料を見つけて調ぺてみると、エプシュタイン・コレクションの1冊であることがしぱしぱである。


(5) ペルンシュタイン・コレクション

(LeonB.Bernstein Collection on Russian Revolutionary Thoughts and Movements) 約 5,000タイトル [ペルンシュタイン・コレクション詳細] (1984年度大型コレクション)

このコレクションの内容は2つに大別される。第1はロシア革命運動及ぴ革命恩想に関するロシア語文献であり、第2はフランス語で書かれたソ連研究文献である。前者はペルンシュタインが収集したもののほかにP.アクセリロード、B.クリチェフスキーなどの亡命社会主義者の蔵書や組織の資料類、ブンド、ロシア社会民主党外国本部、エスエル覚アルヒーフ、ロシア社会民主覚中央アルヒーフなどの一部も入手して加えられている。このなかにはポリシェヴィキ、メンシェヴィキ、エスエル等特定の革命組織のみならず、あまり」般的でない革命組織の雑誌や資料もある。関心をひくのは19世紀の革命思想家の主要な著作や <人民の意志> 派の資料である。さらにロシアの歴史と文化に関する基本的文献も合まれている。この中にはこれまで日本では利用が困難であった <Акты исторические> や <Сборник Императорскаго историческаго общества> や <Искра> などの現物があリ、またラジーシチェフ、ゲルツェン、オガリョフ、パクーニン、ネチエーエフ、デカプリストなどの草命思想家の著作、ソロヴィヨフ、ベルジャーエフ、ブルガーコフなどロシアの銀の時代を代表する哲学者たちの諸作品も見ることができる。


(6) ロシア亡命文学コレクション

(Collection of Russian Emigre Fiction) 566 タイトル [ロシア亡命文学コレクション詳細] (1983年度大型コレクション)

ロシア文学は一般にソビエト文学と亡命文学に分けて考えられてきたが、亡命文学の研究は資料不足と所在追跡調査の困難に悩まされてきた。このコレクションは、このように困難を解決すべく多年にわたって系統的に収集されたものである。それはベヌア、ゼルノフ、ミリュコーフ、エルンスト、グリーンベルグ、ポポフ、ストールヴェ、バリエフなど著名な愛書家、出版人、文学者、文芸批評家の私文庫に由来するもので、以前の所有者による書き込みのあるものが少なくない。この中にはソビエト文学に大きな影響を与えた作家の作品や、ロシアはもとより欧米の図書館にも欠けているものさえ多数含まれている。


(7) ヘンリク・ゲルシンスキー旧蔵ポーランドコレクション

(The Henryk Gierszynski collection) 1,320 冊 [ゲルシンスキーコレクション詳細] (1987年度大型コレクション)

幾多のポーランド亡命者組織のリーダーとして活躍したヘンリク・ゲルシンスキー氏旧蔵の19世紀から20世紀初頭における激動のポーランド社会を物語る歴史資料である。


(8) ギブソン文庫

The Library of Prof. James R. Gibson (Contemporary & Historical Geography of Russia and Russian America) 2,544 冊 [ギブソン文庫詳細] (1999年度大型コレクション)

カナダの歴史地理学者でヨーク大学名誉教授 James R. Gibson氏の収集した蔵書。ロシアの地理・民族・歴史学関係図書コレクションである。