現代社会について考える
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- 推薦者 : 河合 剛 所属 : 外国語教育センター 身分 : 教員
国策教育の破綻
検証 迷走する英語入試――スピーキング導入と民間委託 / 南風原 朝和. - 岩波書店 , 2018
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本書は大学入試における英語科目について述べているけれども、論理はさまざまな選考に適用できるので、諸君が将来人選するときに参考になろう。
英語を読む・書く・聞く・話す能力(4技能)を高校で教えさせるため、大学入試に出題せよと文部科学省が命じた。試験の問題を作ったり、試験を実施したりするのは試験をなりわいとするプロにまかせろとの命令である。
試験とは能力を測る道具。どのような能力を身につけるのが望ましいのだろうか。
使える・通じる能力を求めるならば(自動車の運転免許のように)能力の閾値を上回れば合... [続きを読む] |
登録日 : 2019-03-04
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 河合 剛 所属 : 外国語教育センター 身分 : 教員
福島事故の隠蔽も似ている
登録日 : 2019-02-07
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 河合 剛 所属 : 外国語教育センター 身分 : 教員
札幌の変貌を学び、未来を知る
登録日 : 2018-12-12
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
不愉快な、しかし有益な本
介護する息子たち : 男性性の死角とケアのジェンダー分析 / 平山亮. - 勁草書房 , 2017
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これを書いている僕は3月31日付けで北海道大学を退職する。理由は介護離職、つまりこの本の標題にもなっている「介護する息子」になるわけだ。この本は、そのような「介護する息子」になる前に参考とするべき点を調べようと思って読んだのだが、内容は全く違っていて、所謂ジェンダー社会学の立場から「介護する息子」たちが一見親の介護で苦労しているように見えながら、その背後には女性(配偶者や姉妹)からの支援や女性に対する差別やジェンダー的不均衡があるという可視性の低い問題点をこれでもかとばかりに暴き出す研究書だった。
考えてみれば著者の平山... [続きを読む] |
登録日 : 2018-03-27
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 橋本雄 所属 : 文学研究科(日本史学講座) 身分 : 教員
常識を突き崩してみよう。
民族という虚構 / 小坂井敏晶著. - 筑摩書房 , 2011
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本書は、強いていえば、著者小坂井氏の〈本籍〉からして、社会心理学の成果と言えるでしょうか。しかしながら本書は、グローバル時代に生きる者すべてが参照すべき卓見に満ちあふれています。隣人・隣国とのより良い関係のために書かれた書として、歴史学にとっても重要な一書と考えます。
本書の「あとがき」によると、「生物学・社会学・政治哲学など広い領域に触れ、学際的試論の性格を持つ」、真に学際的な成果です。また、「民族同一性の脱構築を試み、近代的合理主義を批判する」ことを目指したものだともいいます。そのいずれにおいても成功を収めた快著だと私は... [続きを読む] |
登録日 : 2018-03-12
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
揺るぎない体験と明敏な眼と強靱な思索の結晶
自分のなかに歴史をよむ / 阿部謹也著. - 筑摩書房 , 2007
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何年かにわたって「一般教育演習」や「多文化交流科目」で異文化間コミュニケーションの理論と実践といった類いの授業を展開してきたが、この本はそうした授業の設計思想を作る上で常に座右に置いていたものである。この本が出たとき、ある夕刊紙の書評が「これは真に感動的な本である。」と書いた。「感動的」ということばが適切かどうかは分からないが、「目からウロコが落ちる」という感覚が得られる本ではあると確かに思う。内容は、少年時の修道院生活、大学時代の上原専録との出会い、ヨーロッパ留学生活等々著者の体験談が多いように見えるが、その根底で著者はヨー... [続きを読む] |
登録日 : 2018-03-08
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「日本国」の主権者であるために
新解説世界憲法集 / 初宿正典, 辻村みよ子編. - 三省堂 , 2017
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以前、『一般教育演習』を開講していた際に、授業中日本国憲法が定める国民の三大義務や憲法第25条の規定について学生に聞いてみたところ、みんな余りにも知らないので愕然としたことがある。大学受験科目が「公民」ではないと余り憲法を読む機会がないのではないかと推察されるが、これだけ憲法改正の動きが明らかになっている時代に日本国民なのに日本国憲法を(特に日常生活に関わりの深い条文を)きちんと読んでいないというのは悲しいことである。『ナルニア国物語』のディゴリー卿のセリフで... [続きを読む] |
登録日 : 2018-01-04
基本書
- 推薦者 : 小泉均 所属 : 工学研究院 身分 : 教員
将来の世界の在り方、政策などを考えるうえで必読の本
登録日 : 2017-10-19
- 推薦者 : 小泉均 所属 : 工学研究院 身分 : 教員
錆(さび、腐食)と取り組むさまざまな人々の仕事と人間像を描いた本
錆と人間 : ビール缶から戦艦まで / ジョナサン・ウォルドマン著 ; 三木直子訳. - 築地書館 , 2016
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錆(さび、腐食)と取り組むさまざまな人々の仕事と人間像を描いた本である。錆と人間の歴史から、自由の女神の腐食と補修、ステンレス鋼の発明、缶の腐食と環境ホルモン、錆を撮り続ける写真家、アメリカ国防総省の防食担当者、防食技術者という職業について、石油パイプラインと錆探知ロボットなど、さまざまな事について取り上げている。錆という点で共通しているだけで、全体として一貫したテーマがあるようには見えない。書き方も各章でバラバラである。しかし、錆というものが、どのような科学や工学、社会、政治、人間とかかわっているか概観でき、非常におもしろく... [続きを読む] |
登録日 : 2017-10-19
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
君は世界をまたにかけるビジネスパースンになれるか?
反省しないアメリカ人をあつかう方法34 / ロッシェル・カップ著. - アルク , 2015
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北大生の中には将来外資系企業、あるいは海外で働くことを希望している人もいるだろう。また、国内の職場でも上司や同僚や部下が外国人という環境は最早珍しくない。この本は、「反省しないアメリカ人を~」と書いてあるとおり、アメリカ人の、主に従業員に対してどう接し、どのように良好なビジネス上の関係を構築するかについてアドバイスを述べたものであるが、アメリカ人に限らず異なる文化的背景の人間―日本人でもその範疇に入ってくる可能性は大いにある―と仕事をする上でヒントになるものと思う。比較文化研究や異文化間コミュニケーションに関心のある人には、色... [続きを読む] |
登録日 : 2017-08-07
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
やっぱり大学の未来は心配だ。
Fランク化する大学 / 音真司著. - 小学館 , 2016
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この本を「本は脳を育てる」に推薦することに対して旧帝国大学である“天下の北海道大学”の真面目な先生や優秀な学生から異論や批判が巻き起こるかもしれない。筆者自身も、この本に書いてあることは100%そのままであるとは思いたくないし、著者がやや大げさに書いている=「話を盛っている」面もあるかもしれないと思っている。しかし、他大学につとめる友人知人の現場の声を聞くと、ここに書いてあることを頭ごなしに否定することもできないと思う。そして、筆者自身が何より恐れるのは、―ここまでひどくないとしても―これらに近似する状況がここ数年の間に静かに北海道... [続きを読む] |
登録日 : 2017-08-07
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 前田亮介 所属 : 法学研究科 身分 : 教員
政治経済史の画期的業績
帝国から開発援助へ : 戦後アジア国際秩序と工業化 / 秋田茂著. - 名古屋大学出版会 , 2017
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第二次世界大戦後のアジア諸国の経済的台頭を可能にした条件の一端を、コロンボ・プランをはじめとするイギリス主導の戦後国際秩序構想から明らかにしようとした、政治経済史の画期的業績である。著者がイギリス帝国史の第一人者ということもあり、コモンウェルス体制の維持・再編に向けた戦後イギリスの生存戦略が、旧帝国からの旧植民地への所得移転や開発援助を通じて、アジア諸国の脱植民地化と(多くが開発独裁的な形態での)国家形成を後押ししていくなかば逆説的な力学が、英米のみならずインドの文書館史料も利用して興味深く分析されている。帝国秩序における戦前... [続きを読む] |
登録日 : 2017-08-07
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
モンゴルの魅力に近づくために
草原の革命家たち : モンゴル独立への道 / 田中克彦著. - 中央公論社 , 1990
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この「本は脳を育てる」の過去の推薦文に何回か書いたことであるが、僕は1990年代にエジプトに赴任していた。だが、最初に赴任先候補地としてあげられたのは、実はモンゴルであった。それがどこかでどうにかこうにかなってエジプトに落ち着いた(?)のであるが、今でも時々、あのときモンゴルに行っていたらどうなっていただろうかと思うことがある。今は、モンゴルと言えば相撲の世界が思い浮かぶだろうが、多くの日本人の間でこの国の歴史と現在の姿は意外に知られていないと言ってよいだろう。この本は、モンゴルが中国、ソヴィエトという巨大な国に挟まれて―しかもここ... [続きを読む] |
登録日 : 2017-08-04
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
日本人はアジアとどう向き合ってきたか
日本とアジア / 竹内好著. - 筑摩書房 , 1993
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これは、竹内好という稀代の中国文学者の手になるすぐれた日本、及びアジア研究の書である。初版が刊行されてから50年以上が経過しているが、そこに示される分析(あるいは同時代思想批判の)の観点には今なお学ぶものが多くある。中国、アジアだけでなく、というよりむしろ欧米社会・文化に関心を持つ人にこそ読んでほしいと思う。特に「二つのアジア史観」、「方法としてのアジア」は人文社会科学を勉強する上で貴重な示唆を含んでいる。 |
登録日 : 2017-08-04
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
韓国は「異星」である、か?
韓国、愛と思想の旅 / 小倉紀藏. - 大修館書店 , 2004
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仕事柄韓国人留学生とのつきあいが少なからずあるが、いつも彼ら彼女らとの独特の距離の置き方にはかなりデリケートに神経を使う。こういうことを“国際交流”の入り口で仕事をしている人間が書くと問題だと感じる人もいるだろうが、むしろそうした仕事をしているからこそ適度な距離感が必要であるとも言える。この小倉氏の本は、韓国滞在・渡航経験の中でその距離を縮めようとしてついに叶わなかった(もしくは彼なりのやり方でその距離を消滅させていった)異文化間コンフリクトの記録である。韓国に対する読者のスタンスの取り方に応じてそれなりに“ツッコミどころ”も... [続きを読む] |
登録日 : 2017-06-12
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 水本 秀明 所属 : 外国語教育センター 身分 : 非常勤講師
手軽にフィンランドの育児、生活習慣、etc.を知ることができます
登録日 : 2017-06-08
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
イスラム教を「信じる」とはどのようなことか
日本の中でイスラム教を信じる / 佐藤兼永. - 文藝春秋社 , 2015
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日本社会の中ではイスラム教信者、中でも特に日本人の信者というのは姿が見えにくい存在である。この本は、日本社会の中でイスラム教信仰に生きる人びとの姿を描いたルポルタージュであり、イスラム世界というものが西アジア・中東・アフリカという遠いところにある(だけな)のではなく、我々のすぐそばにもあるものだということに気づかせてくれる。現在、多少緩和されたとはいえ、まだイスラム教に対する様々な偏見が社会の中に存在することは否定できない。著者の佐藤氏は、その偏見を我々も持つことを認めた上でそれを肯定的なものへと転換する契機を示してくれている... [続きを読む] |
登録日 : 2017-05-01
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「ボランティア」のあり方を見つめ直すために
「ボランティア」の誕生と終焉 : 「贈与のパラドックス」の知識社会学 / 仁平典宏. - 名古屋大学出版会 , 2011
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学生時代に7年ほどあるボランティア活動に携わっていたことがあるのだが、最初に活動に参加しようとした時、親に言われたのは「自分の頭のハエも追えない奴が偉そうに人助けなんかやるな!」という暴言(!)であった。今考えてもあんまりな言い方だと思うが、そうした意識は程度の差こそあれ日本の社会にある時期流通していたボランティア理解ではなかったかとも思う。この本の帯には「『善意』と『冷笑』の狭間で」と書かれているのだが、このことばはボランティアというものに対して注がれる、あるいは浴びせられる視線の複雑さを見事に言い当てている。そうした複雑さを... [続きを読む] |
登録日 : 2017-02-28
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
ネット空間で被害者にも加害者にもならないようにするために。
ネット炎上の研究 : 誰があおり、どう対処するのか / 田中辰雄, 山口真一著. - 勁草書房 , 2016
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この本は、インターネット上で発生するいわゆる「炎上」という現象を分析し、その実態と歴史(!)と対応策を分かりやすく述べている。特に最後の「付録 炎上リテラシー教育のひな型」では、高校生を対象として想定し、「炎上」の仕組みとそれに巻き込まれそうになったらどうするべきかを丁寧に説いてくれている。インターネットがこれだけ広範囲に利用されるようになった社会で安全に生活し、かつ自分が加害者にならないためにも読んでおくべき1冊である。 |
登録日 : 2017-02-24
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「東洋」と「西洋」とは何か、あらためて考える。
東洋意識 : 夢想と現実のあいだ1887-1953 / 稲賀繁美編著. - ミネルヴァ書房 , 2012
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学問―特に人文科学―の世界に於ける「東洋-西洋」という枠組み或いは二分法は、実は相当にうさんくさい。そのうさんくささを“学問的に”剔抉したのは言うまでもなくエドワード・サイードの『オリエンタリズム』だったが、そのとらえ方自体が西洋的な学問世界の中で一定の権威になってしまうという戯画的な状況が生まれ、相変わらず「東洋-西洋」という枠組みをめぐる思索は混迷している。今回推薦する本は、編著者の稲賀氏自身が書いているように「『東洋』と呼ばれる―あるいは時代遅れとな... [続きを読む] |
登録日 : 2017-02-17
ぜひ読んでみてほしい
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